廃線跡がR257から分岐すると、すぐに第三寒狭川橋梁で豊川を渡ります。(「寒狭川」は豊川上流部の通称。) 幅員は3.1mと狭いのに重量制限は9tと、この幅の道路橋としては明らかにオーバークオリティ。(苦笑) 3mの高さ制限は、前方にちらっと見える田内トンネルのためでしょう。
結構高さのある第四寒狭川橋梁は、現在は「高鉄橋」と呼ばれているようです。 橋の前後はすぐトンネルで、「暗闇を抜けると一瞬だけ豊川の渓流を見下ろし、またすぐにトンネルへ」という列車の車窓風景を思い浮べることができます。
素掘りのトンネルや、重量制限9tという鉄道クオリティの鉄橋を抜けていくと、ダム建設工事の現場が。 工事中に川の流れを迂回させる、「転流工」の建設が始まっていました。
終点の三河田口駅跡が近づくと、巨大なスロープを建設中。 このあたりは水没する場所なので、堤体建設地点上部へのアクセス用仮設道路でしょうか。 いまのところ線路跡の道路は、ギリギリで工事現場に飲み込まれずに済んでいました・・・。
三河田口駅のホーム跡です。 近年まで駅舎も残っていたとのことですが、放置状態でついに倒壊してしまったそうです。 2018年の田口線廃止50周年イベント後、駅の敷地跡でも本格的にダム工事が始まり、かろうじてホームの側壁のみが見える状態となっていました。
駅跡には、田口線現役当時の写真パネルや、路線図、駅構内図、年表などが掲示されていました。 ローカル私鉄の全盛期、こんな味のある混合列車が走る姿を一度は見てみたかったものです。
田口の市街地の丘の上にある「奥三河郷土館」には、田口線を走ったモハ14形電車が静態保存されています。 郷土館自体は現在閉館中で、この車両は建設予定の道の駅に移設する計画があるとのこと。 屋根下の展示で保存状態も良く、引き続き大切にされることを祈ります。
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